サマースクールに一人で参加させるかどうか、申し込みボタンの前で手が止まっていませんか。
わが家は小学生の次男を、知り合いがひとりもいない2泊3日のプログラムに送り出しました。
今日はその感想を書きます。
先に結論を書きます。
行かせてよかったです。
ただ、いちばん揺れたのは子どもではなく、親の私でした。
この記事は、44歳・2児の父・中間管理職という立場から書いています。
パンフレットには載っていない、送り出した側の3日間の中身です。
- 一人で参加させると、留守番するきょうだいにも変化が起きる
- 出発の日に親ができるのは、手紙一行とスケジュール表くらい
- 親のさみしさは「手を離せ、目を離すな」というフェーズ通りの反応
サマースクールに一人で参加させて、いちばん変わったのは親だった
子どもの成長は、正直まだこれから確かめるところです。
はっきり変わったと分かったのは、
留守番していた兄と、私自身でした。
緊張したまま、それでも一人でバスに乗った
出発の日、私は仕事で見送りに行けませんでした。
妻と長男が集合場所まで送り、その様子を動画で送ってくれました。
次男は天真爛漫なやつです。
初対面の大人にも平気で話しかけていくタイプ。
その次男が、画面の中で顔を固くしていました。
でも、名前も知らない子どもたちに混じって、コーチの指示にしたがって、
自分の荷物を自分で持ってバスに乗り込んでいきました。
天真爛漫なやつが、画面の中で笑ってへんかった。あれはこたえました。
変わったのは本人だけじゃなかった
一人で参加させると、変化は本人に起きるものだと思っていました。
実際には、家に残った3人のほうが揺れました。
この記事の後半は、留守番組に何が起きたかが中心になります。
図1:誰と行くかで、経験の中身が変わります
なぜ小学生の次男を、知らないコミュニティにぶん投げたのか
ここまでで「行かせてよかった」と書きました。
では、そもそもなぜ送り出したのか。理由は2つだけです。
兄と一緒だと、弟は考えなくても正解にたどり着く
次男は、これまで一人で何かに参加したことが一度もありませんでした。
習い事も、遊びに行くのも、いつも長男とセットです。
想像してみてください。
知らない場所に着いた瞬間、隣に、その場のルールを全部知っている兄が立っている。
どこに荷物を置くのか。誰に話しかければいいのか。
兄の背中を見てついていけば、だいたい正解にたどり着きます。
楽なんですよ。そして楽やから、考える回数がゼロになる。
「知り合いのいない場所」が効くという指摘
これは私の思いつきだけではありません。
仲の良い友だちと一緒に参加すると、その友だちを頼ってしまうことが多い。だから、なるべく知り合いのいない状態で参加したほうが、より深い経験になる。(花まる子育てカレッジ・井坂敦子さん)
友だちでそうなら、兄弟はもっとです。
だから、まったく知らないコミュニティにぶん投げました。
【送り出す親へ】子どもだけで出発する日にできること
サマースクールに一人で参加させると決めたあと、親の出番は思ったより早く終わります。
見送れなかった私が、動画で見たもの
私が見たのは、会社で再生した数十秒の動画だけです。
そこには、緊張しながらも列に並ぶ次男が映っていました。
3日間、知らない人たちと山で過ごす。次男にとっては大冒険です。
手紙に書いたのは「応援している」の一行だけ
私がやったのは、手紙を1枚書くことでした。
内容は「応援している」。それだけです。
がんばれ、とは書いていません。
初日の夜には慣れて笑っているだろうと想像はつきます。
でも、バスを降りてからの最初の1時間だけは、間違いなくしんどい。
その1時間に効くのは、長い説教ではなく一行だと思いました。
帰ってきたあとの声かけも同じです。長いほど、届きません。
帰宅後にどう声をかけるかは、子どもの心を満たす3つの言葉にまとめています。
【残された家族へ】兄弟でいちばん喰らったのは兄だった
ここが、いちばん書きたかったところです。
読んでいるあなたの家にも、たぶん同じことが起きます。
一人っ子の2日間は、羽を伸ばす時間にならなかった
長男にとっては、久しぶりの一人っ子です。
親を独り占めできる。おもちゃも取られない。
羽を伸ばすだろうと思っていました。
ところが、めちゃくちゃ喰らっていました。
丸一日いない2日目は、朝から晩までしょんぼり。
ごはんの食べ方まで静かでした。
「いつもは弟が同じ気持ちやったんやで」
これまでは逆でした。
長男が合宿でいなくなり、次男が家に残されるパターンばかり。
置いていかれる側に回ったのは、長男にとってこれが初めてでした。
そのたびに、私はこう言いました。
「普段お前が合宿でおらんとき、次男は同じ気持ちやったんやで」。
責めたいわけやないんです。事実として、知っといてほしかった。
当たり前が幸せだったと気づいた11歳
弟がいるのが当たり前だった。
当たり前だから、幸せだと気づけない。
いなくなって初めて、あれは幸せだったと分かる。
図2:変化が起きたのは、参加した本人だけではありませんでした
- 置いていかれる側の気持ちを、初めて体験する
- いつも一緒にいることが「当たり前ではない」と気づく
- 親が言葉にして返すと、そこが学びに変わる
子離れできない親でいい。今は「手を離せ、目を離すな」
そして、親の私はどうだったのか。
さみしかったです。とても、さみしかった。
4人揃ってデフォルト、という感覚
うちは4人家族です。4人揃っているのがデフォルトなんです。
1人欠けると、いつもと同じ音量のテレビが、やたら大きく聞こえる。
リビングにはスケジュール表を置きっぱなしにして、
今ごろサッカーやな、今ごろ風呂やなと3日間ずっと考えていました。
この感覚は、保育園ロスで子どもの卒園がさみしかったときとまったく同じでした。
子育て四訓が教える、距離のフェーズ
「子育て四訓」という言葉があります。
山口県で長く教育に携わった緒方甫さんの言葉とされ、
ネイティブアメリカンの言葉だという説もあり、出典には諸説あります。
| 時期 | 距離のとり方 |
|---|---|
| 乳児 | しっかり肌を離すな |
| 幼児 | 肌を離せ、手を離すな |
| 少年 | 手を離せ、目を離すな |
| 青年 | 目を離せ、心を離すな |
図3:うちは3段目。手は離しましたが、目は離していません
うちは小学生。つまり3段目、手を離せ、目を離すなのフェーズです。
今回はまさにこれでした。手は離した。でも目は離していない。
やから、さみしいのはフェーズ通り。それでええと思うことにしました。
次は「目を離せ、心を離すな」が来る
いつか本当に家を出ていく日が来ます。
長男は11歳。高校を出て家を出るなら、残りは7年ほどかもしれません。
その7年は、次男が生まれてから今日までとだいたい同じ長さです。
だからこそ、1日1日、子どもと過ごす時間を大切にしようと思いました。今この瞬間が、いちばん人数の揃っている時期かもしれません。
サマースクールに一人で参加させる前にやった4つのこと
わが家が実際にやったのは、この4つだけです。特別な準備はしていません。
兄弟や仲良しと同じ回を避けます。頼れる相手がいない状態そのものが、経験の中身になります。
長い励ましは読まれません。わが家は「応援している」だけにしました。
残された家族が、離れていても同じ時間を追いかけられます。食卓の話題にもなります。
さみしがったら、相手も同じだったと伝えます。ここが最大の学びになりました。
サマースクールの一人参加でよくある疑問
- サマースクールは何歳から一人で参加できますか。
-
プログラムごとに対象学年が決まっています。まずは1泊から試し、祖父母の家に一人で泊まれるかどうかを目安にすると判断しやすいです。
- 一人で参加させるのが不安です。友だちと一緒ではだめですか。
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だめではありません。ただ、知り合いがいると頼ってしまい、経験が浅くなりやすいという指摘があります。目的が「慣れ」なら友だちと、「自立」なら一人をおすすめします。
- サマースクールの費用相場はどのくらいですか。
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国内の場合、1週間でおよそ3万〜7万円が目安として紹介されています(民間学童ウィズダムアカデミーの解説より/2026年8月1日確認)。期間や内容で幅があるため、必ず主催団体の最新情報をご確認ください。
- 親のほうがさみしくて耐えられません。
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それでいいと思います。子育て四訓でいえば、今は目を離していない段階です。さみしさは、距離を間違えている証拠ではありません。
まとめ:今日、遮らずに最後まで聞く
サマースクールに一人で参加させて分かったのは、これが子どもだけの行事ではないということでした。
兄は、当たり前の幸せに気づきました。
私は、自分がまだ手を離したばかりだと知りました。
帰ってきた子どもの話を、遮らずに最後まで聞いてください。
- アドバイスをしない
- 「それどうなん」と言わない
- 話が散らかっても、順番がバラバラでも、そのまま聞く
私自身、子離れの練習は右往左往しています。
完璧な親のふりをするつもりはありません。一緒に、途中を歩きましょう。
自然のなかで子どもがどう変わるかは、キャンプで子育て革命!知って得する3つの秘訣にも書いています。


この記事は、ポッドキャスト「パパスタラジオ」2026年8月1日放送の内容をもとに書いています。
前回の放送(次男がサマースクールに出発するまで)はこちら → YouTubeで聴く
