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貯金だけではリスクです|円が8円動いた10日間と、NISAという置き場所の話

※ 本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。楽天証券へのリンクは通常リンクです。

この記事は、夏休みの特別シリーズ「楽天証券でつみたてNISAを始めるまで ステップバイステップ」全6回の第1回です。
同じ内容をポッドキャストでも話しています。読みながら聴くと、たぶん一段深く入ります。

貯金だけで持つことも、実はリスクです。
でも、これは「貯金が危ない」という話ではありません。

貯金にもリスクがあって、投資にもリスクがある。
種類が違うだけ。
それが、この記事の結論です。

私は44歳の会社員で、2人の子どもがいます。
長いあいだ、お金はほとんど普通預金に置きっぱなしでした。

いまは楽天銀行・楽天カード・楽天証券の3つを使い、ふだんの支払いは楽天ペイにまとめて、楽天ポイントを取れるだけ取っています。
その途中で分かったことを、順番に書きます。

この記事を読み終えたとき、「貯金だけ=安全」という前提を、自分の言葉で疑えるようになっているはずです。
そこがゴールです。

この記事で持ち帰れること
  • 貯金のリスク:数字は減らないのに、買えるモノが減るという意味
  • 実際の数字:2026年6月の全国CPIは前年比1.7%、楽天銀行の普通預金は年0.40%
  • 円だけで持つこと:これも一種の「集中投資」だという考え方
  • NISAの正体:商品ではなく「税金がかからないタグ」だという整理
  • 今日やること:口座を開いて、全部が円かどうかを見るだけ

目次

貯金だけもリスクです、という結論を先に言います

まず結論からお伝えします。
この記事でお伝えしたいのは、たったひとつです。

「投資はリスク、貯金は安全」ではなく、「どちらにもリスクがある」。

これだけです。
NISAをやりましょう、という話ではありません。

貯金のリスクと投資のリスクは、種類が違うだけ

投資のリスクは、分かりやすいですよね。
買ったものの値段が下がって、元本を割ることがある。

一方、貯金のリスクは見えにくい。
通帳の数字は1円も減らないからです。

でも、その数字で買えるモノの量が減っていたら、どうでしょうか。
減っていないことと、目減りしていないことは、別の話です。

2つのリスクは、見え方がまるで違います
  • 投資のリスク:数字そのものが減る可能性がある。目に見える。すぐ怖くなる。
  • 貯金のリスク:数字は減らないが、その数字で買えるモノが減る。目に見えない。だから怖くならない。

怖くならないほうが、実は厄介なんですよね。気づかないまま、何年も進んでしまうので。

私が長いあいだ、普通預金だけだった話

正直に書きます。
私は長いあいだ、お金を普通預金に置きっぱなしにしていました。

理由は単純で、「投資は怖いけど、貯金なら減らない」と思っていたからです。

減らない、は正しかったんです。
減っていないことと、価値が保たれていることは別だと、当時の私は分けて考えていませんでした。

きっかけは、大げさなものではありません。
冷蔵庫を開けて、「あれ、この値段だったっけ」と思った、それだけです。

ニュースの数字で驚いたんじゃないんです。毎週買っている、同じものでした。


貯金だけがリスクになる理由|数字は減らないのに買える量が減る

ここまでで、「貯金にもリスクがある」という結論をお伝えしました。
では、その中身を数字で見ていきます。

比べるのは2つだけです。
物価がどれだけ上がったかと、預金にどれだけ利息がつくか。

消費者物価指数(CPI)は、世の中の値段の体温計です

まず言葉の説明から。
ニュースでよく出てくる「消費者物価指数」、略してCPI(シーピーアイ)です。

これは総務省が毎月発表しているもので、私たちがふだん買うモノやサービスの値段を、毎月同じやり方で調べて、平均でどれだけ動いたかを出したものです。
対象になっている品目は、およそ600種類あるといわれています。

体温計みたいなもの、と思ってください。
世の中の値段の熱を、毎月測っている。

全国CPIは前年比1.7%、楽天銀行の普通預金は年0.40%

では、実際の数字を並べます。
どちらも2026年8月7日時点で、公式ページから確認したものです。

項目数値確認元
全国CPI 総合(2026年6月分)前年同月比 +1.7%総務省統計局
全国CPI 生鮮食品を除く総合前年同月比 +1.6%総務省統計局
楽天銀行 普通預金(2026年8月3日〜)年0.40%(税引後 年0.318%)楽天銀行
同上・マネーブリッジ設定あり最大 年0.48%(税引後 年0.382%)楽天銀行

楽天銀行の普通預金金利は、2026年8月3日に年0.30%から年0.40%へ引き上げられました。
証券口座とつなぐ「マネーブリッジ」という設定をすると、残高1,000万円までは年0.48%になります。

これは、銀行の預金金利としては高いほうです。
それでも、物価の上昇率1.7%には届いていません。

金利は変わります。
いまいくらなのかは、必ず公式ページで確かめてください。

通帳は減らない。買える量は減る① 通帳の数字1年前 100万円いま 100万円1円も減っていません② その100万円で買えるモノの量5年前 100いま 88日本の物価は、この5年でおよそ12%上がりました

図1:通帳の数字は変わらないのに、その数字で買えるモノの量は減っていく。これが「貯金だけはリスク」の中身です。

数字は減っていない。
でも、買えるモノは少しずつ減っている。

1年で1.7%なら小さい。でも、これは毎年積み上がります

1.7%と聞くと、たいした差ではないように感じますよね。
私も最初はそう思いました。

でも、これは毎年、上に積み上がっていきます。
日本ではこの5年で、およそ12%物価が上がったといわれています。

100万円の買う力が、88万円ぶんになった。
そういう言い方もできます。

もちろん、これから毎年1.7%ずつ上がると決まったわけではありません。
下がる年もあるでしょう。

ただ、「置いておけば価値は変わらない」という前提だけは、もう成り立たなくなりました。


円だけで持つことは、一種の「集中投資」です

前の章では、物価と金利の差を見ました。
ここからは、もうひとつのリスクの話をします。

それは、「全部が同じ一種類のお金でできている」という状態のリスクです。

集中投資とは、一つのものに全部を賭けること

聞き慣れない言葉かもしれないので、先に説明します。
集中投資とは、一つのものに全部を賭けることです。

たとえば、勤めている会社の株だけを、給料の全額で買っている人がいたとします。
危ないな、と思いますよね。

なぜかというと、会社が傾いたときに、給料も、貯めたお金も、同時に消えるからです。
分けていないからです。

実は、円だけで持っている状態も同じ形をしています

ここで、想像してみてください。
あなたの財布の中身。通帳の残高。毎月振り込まれる給料。

これが全部、同じ一種類のお金でできています。
日本円です。

だとすると、円の価値が下がったとき、全部がまとめて影響を受けます。
これは形としては、さきほどの「自社株だけ買っている人」と同じです。

円だけで持つ=一種の集中投資ぜんぶ「円」で持っている財布預金給料円の価値が下がると、3つとも同時に効く置き場所を2つ以上に分けておく円で持つ分円高で効く外の資産で持つ分円安で効くどちらに転んでも、全部は持っていかれない

図2:円だけで持つ状態と、置き場所を分けた状態の違い。分けておくと、どちらに転んでも全部は持っていかれません。

私はここに気づくまでに、ずいぶん時間がかかりました。
「投資をしていない」と思っていたけれど、実は円という一点に全部を置いていただけだったんです。

日本はエネルギーも食べものも、多くを輸入に頼っています。
だから円の価値が下がると、スーパーの値段に、そのまま返ってきます。

「何もしていない」つもりが、いちばん偏っていた。これは私にとって、けっこう効いた気づきでした。

この考え方をもう少し掘り下げたい方は、「貯金」よりも「投資」の方がリスクが少ない3つの理由もあわせてどうぞ。


でも「これから円安」は予測です|口先の牽制と、8円動いた10日間

ここまで読むと、「じゃあ円安に備えて外貨を持たなきゃ」と思うかもしれません。
そこで、いったん止まってください。

「これから円安がもっと進む」は、予測であって、事実ではありません。
この章は、それを実例で示します。

口で牽制しても動かず、実弾を撃ったら8円動いた

順番に並べます。
すべて2026年の出来事です。

  • 7月20日〜24日の週:ドル円は163.988円まで上昇。約40年ぶりの水準で、円としては約39年8か月ぶりの安値でした。
  • 同じ週:片山さつき財務相が「断固たる措置をとる」と発言し、円安を牽制。ところが市場の反応は限定的でした。
  • 7月30日:日本の当局が実際に円買い介入を実施。163.65円付近から急落しました。
  • 7月31日:米財務省も円買いに動き、日米両政府が協調介入を実施したと明らかにしました。
  • 8月3日:アジア市場で一時155円前半まで円高が進みました。
  • 8月6日:157.70円あたりで推移しています。

ここで見てほしいのは、順番です。
言葉で警告しているあいだ、相場はほとんど動きませんでした。

実際にお金を使って介入した瞬間に、数日で8円動いた。
163円台から155円台へ、そしてまた157円台へ。

「円安がどこまで進むか」を当てにいった人は、この10日間でことごとく外しているわけです。

プロの見通しも割れる|野村證券は年末152.5円予想

しかも、専門家の見方は一枚岩ではありません。

野村證券は2026年末の米ドル円見通しを152.5円に引き上げました。
これは、いまより円高の方向です。

一方で、米国のインフレは高止まりしていて、米長期金利も高い水準にあります。
これはドルを支える方向、つまり円安の方向に働きます。

上を見ている人と下を見ている人が、両方いる。
毎日相場を見ている人たちですら割れているなら、私に当てられるはずがありません。

正直に言うと、NISA自体も円安の一因です

ここは、書かないとフェアじゃないと思うので書きます。

新NISAを通じて日本人が海外の資産を買う流れそのものが、構造的な円安の要因の一つとして注目されています。

仕組みは単純です。
NISAで米国株の投資信託を買うとき、その裏側では、円を売ってドルを買っています。

1人分なら小さい。
でも、それが何百万人分も積み上がると、円を売る力になります。

つまり、私がこのシリーズで6回かけて話すことは、円安を進める側の行動でもあります。
知らないふりはしません。

そのうえで私は、自分の資産の置き場所を分けることを選んでいます。ここは、納得できない方がいて当然だと思います。

だから「当てにいく」のではなく、置き場所を分ける

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

やることは、予想して賭けることではありません。
置き場所を、2つ以上に分けておくことです。

置き場所を分ける、という発想
  • 円が強くなったら、円で持っている分が効きます。
  • 円が弱くなったら、外の資産で持っている分が効きます。
  • どちらに転んでも、全部を持っていかれない。

儲けるための発想ではなく、負けきらないための発想です。

そして、これは「貯金を全部動かせ」という話ではありません。
急に必要になるお金は、円のまま置いておく。

動かすのは、当分使う予定のないお金の、ほんの一部だけです。
そこは崩さないでください。


NISAは商品ではなく「税金がかからないタグ」です

置き場所を分ける、という話をしました。
そこで、やっとNISAが出てきます。

多くの人がここでつまずくので、最初に一番大事なことを書きます。

NISAは投資信託でも株でもありません。買い方の名前です

NISAは、商品ではありません。
投資信託でもないし、株でもない。

「この買い方で買った分は、利益に税金をかけません」というタグ(札)です。

ふつうに投資信託を買って利益が出ると、その利益からおよそ2割が税金として引かれます。
1万円もうけたら、2,000円は持っていかれる、ということです。

ところが、NISAというタグをつけた買い方をすると、その2,000円が引かれません。

NISAは商品ではなく、レジのレーン同じ投資信託/利益1万円A:ふつうの口座レーン税金 約2,000円が引かれる手もとに残るのは 約8,000円B:NISAレーン税金 0円手もとに残るのは 10,000円カゴの中身ではなく、どのレジに通すかの違い

図3:同じ商品でも、通すレーンが違うと手もとに残る金額が変わります。買い物カゴの中身ではなく、レジのレーンを選ぶ話です。

つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の違い

ただし、タグを貼れる量には上限があります。
ここで数字が4つ出てきますが、覚えなくて大丈夫です。

枠の名前1年あたりの上限生涯の上限
つみたて投資枠120万円合計1,800万円のうち
成長投資枠240万円1,200万円まで
合計360万円1,800万円

つみたて投資枠は、決められた投資信託を、毎月コツコツ積み立てるための枠です。
成長投資枠は、投資信託に加えて、個別の株も買える、自由度の高い枠になります。

初心者は、成長投資枠を視界から消していい理由

はっきり書きます。
最初に使うのは、つみたて投資枠だけで十分です。

年間120万円ということは、月10万円まで。
これを超えて積み立てたい、という状況に、最初からなる人はほとんどいません。

成長投資枠は、選択肢が多いぶん、迷う時間も増えます。
迷って止まるくらいなら、最初は見ないほうがいい。

私も、いま使っているのはつみたて投資枠だけです。それで足りています。

ただし、投資の側にもリスクはあります

ここも正直に書きます。
NISAというタグをつけても、値下がりしないわけではありません。

金融庁の資料では、分散して積み立てる投資を5年間続けた場合、元本割れの確率はおよそ10%あったとされています。
20年間続けた場合はゼロだった、という結果も示されています。

ただし、これは過去の実績にもとづくシミュレーションです。
20年続けても元本割れする可能性はある、と資料にも書かれています。

だから、この記事の結論は「NISAをやれ」ではありません。
「どちらにもリスクがある、という前提に立ち直しませんか」です。

制度そのものをもう少し知りたい方は、NISA(少額投資非課税制度)で節税効果を最大化する方法もどうぞ。


貯金だけのリスクに気づいた今日、できる3ステップ

最後に、今日からできることを書きます。
口座を作る話は、まだ出てきません。

STEP
自分の銀行口座を開いて、残高を見る

アプリでもネットバンキングでも構いません。
いま自分がいくら持っているかを、正確に見てください。

STEP
その全部が「円」かどうかを確認する

たいていの人は、全部が円です。
それでいいんです。まずは、そうなっていると自覚することが目的です。

STEP
「当分使わないお金」がいくらあるかを分ける

家賃、生活費、急な出費への備え。
これは円のまま置いておきます。

そこを引いて残った金額。
それが、将来、置き場所を分けることを考えられるお金です。

今日はここまでで十分です

口座を作る必要も、何かを買う必要もありません。
見るだけ。それだけで、今日の宿題は終わりです。


貯金だけのリスクについて、よくある疑問5つ

貯金だけだと、具体的にいくら損しているのですか?

「いくら損」と言い切れる金額はありません。
ただ、2026年6月の全国CPIは前年比1.7%上昇で、楽天銀行の普通預金は年0.40%です。この差のぶんだけ、買える量が減っている計算になります。

NISAをやると円安が進む、というのは本当ですか?

一因として指摘されています。
新NISAを通じた海外資産への投資に伴う継続的な円売りフローは、構造的な円安要因の一つとして注目されています。ただし為替は米金利や地政学リスクといった複数の要因で動くため、NISAだけが原因ではありません。

NISAのつみたて投資枠と成長投資枠、どちらから始めればいいですか?

つみたて投資枠だけで十分です。
年間120万円、月10万円まで積み立てられます。成長投資枠は、慣れてから考えれば間に合います。

円安はこれからも進みますか?

分かりません。
2026年7月、片山さつき財務相の「断固たる措置をとる」という牽制では市場はほとんど動かず、7月30日と31日の日米協調介入で一気に163円台から155円台まで動きました。野村證券は年末を152.5円と円高方向で予想しています。予測に賭けるのではなく、置き場所を分ける、という考え方をおすすめします。

生活費まで投資に回したほうがいいですか?

回さないでください。
急に必要になるお金は、円の預金のまま置いておきます。動かすのは、当分使う予定のないお金の一部だけです。


まとめ|貯金だけもリスク。まずは「全部が円か」を見るところから

今日の結論を、もう一度書きます。

「投資はリスク、貯金は安全」ではなく、「どちらにもリスクがある」。

円だけで持つことは、円の価値が下がったときに丸ごと影響を受けるという意味で、これも一つの集中投資です。
NISAは儲ける制度ではなく、その集中を少しほぐすための、税金がかからない置き場所のひとつです。

そして最後に、いちばん大事なことを書きます。

この記事を鵜呑みにしないでください。
私が書いたのは、私が調べて、私が考えて、私が選んだことであって、あなたにとっての正解ではありません。

自分で調べて、自分で考えて、自分で決めてください。
この記事が、その入口になれば十分です。

今日やることは、ひとつだけ

自分の口座を開いて、その全部が円かどうかを、見てください。
それだけで、今日は十分です。

私も途中です。44歳で、いまだに右往左往しています。一緒に調べていきましょう。

なお、金利・為替・物価はすべて変動します。
実際に判断するときは、必ず各公式サイトで最新の数字を確認してください。

次回、第2回は、調べ始めた人がほぼ必ず踏む地雷の話をします。
「NISAはよくわからないから、とりあえず銀行の窓口で相談してみよう」。私はこれをおすすめしません。その理由を書きます。

先に自分の目で商品や手数料を見ておきたい、という方だけどうぞ。
今日つくる必要は、まったくありません。

今日のポッドキャスト

夏休みの特別シリーズ「楽天証券でつみたてNISAを始めるまで ステップバイステップ」全6回

第1回「貯金だけもリスクです|円が8円動いた10日間と、NISAという置き場所の話」

この記事で参照した公式・一次情報(2026年8月7日確認)

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