パッシブ運用がついにアクティブ運用を超えた歴史的瞬間
あなたは毎月S&P500や オルカン(全世界株)を コツコツ買っていませんか?
私も実は積み立てNISAで S&P500に全力投資している1人です。
2024年、投資の世界で 歴史的な大転換が起きました。
米国で指数に連動する パッシブ運用(指数と同じ動きを目指す投資方法)の資産残高が
初めてアクティブ運用(プロが銘柄を選ぶ投資方法)を上回ったのです。
この記事では投資インフルエンサー 五月さんが書かれたnote
S&P500神話の終わる時~インデックス投資バブルの形成過程と、AI投資がもたらす株式市場のレジームチェンジ~|五月(片山晃)
を参考に、その実態と注意点を わかりやすく解説します。
パッシブ運用とは何か?その仕組みと魅力
このセクションのポイント:
- パッシブ運用は市場全体に自動的に投資する手法
- 手数料が安く、初心者でも始めやすい
- アクティブ運用より圧倒的にシンプルで手軽
指数に自動的に連動する投資スタイル
パッシブ運用(指数連動型の投資手法)は市場全体の値動きに連動することを目指す運用方法です。
代表的なものが インデックスファンド(指数に連動する投資信託)や
ETF (上場投資信託:証券取引所で売買できる投資信託)と 呼ばれる商品です。
たとえばS&P500(米国の代表的な500社の株価指数)連動の投資信託を買えば、
米国の主要500社に自動的に投資していることになります。
私がNISAでフルベットしているのがS&P500(米国の代表的な500社の株価指数)連動の投資信託です。
アクティブ運用との決定的な違い
一方のアクティブ運用(ファンドマネージャーが銘柄を選別する投資手法)は
市場平均を上回る成績を目指す手法で、
プロのファンドマネージャーが個別銘柄を選別したり売買のタイミングを計るものです。
パッシブ運用の最大の利点は
優れたリターン(投資収益率)よりも 圧倒的な手軽さにあります。
パッシブ運用のファンドの信託報酬(運用会社に支払う手数料)は
0.1%~0.3%程度ですが、
アクティブ運用の商品は1%以上かかるものも少なくないのです。
難しい経済ニュースや 個別企業の業績に振り回されず、
「インデックス(株価指数)さえ持ち続ければ いつか必ず報われる」
というシンプルなロジックが 投資初心者の心理的ハードルを 大きく下げました。
かくいう私もまさにこのロジックで
思考停止でS&P500にフルベットしているという状況です。
2024年に起きた歴史的大転換
このセクションのポイント:
- 米国でパッシブ運用が50%超えを達成
- 日本では新NISA拡充が投資ブームを加速
- 20年で投資の世界が根本から変わった
ついに50%超えとなったパッシブ運用
2024年、米国ではパッシブ運用の 資産残高が初めてアクティブ運用を 上回りました。
20年前には全体の1割台だった パッシブ運用のシェアが、
ついに50%超となり、長年主流だったアクティブ運用を 逆転したのです。
これは投資の世界の歴史的大転換と言えます。
新NISA拡充がもたらした日本での投資ブーム
日本でも2020年頃から 米国株投資がブームになり、
S&P500や全世界株といった指数に連動する投資信託の積立投資が劇的に広まりました。
特に2024年の新NISA(少額投資非課税制度:一定額まで投資の運用益が非課税になる制度)では投資枠が拡大し、非課税期間も無期限になったことが 大きな起爆剤となりました。
2024年の1年間で買付額は17.4兆円まで急拡大し、
多くの個人が長期の インデックス積立投資を 始めています。
「とりあえずS&P500か 全世界株のインデックスファンドを 毎月満額買う」
という人が 急増したのです。
S&P500という偉大な発明
このセクションのポイント:
- プロの投資家でもS&P500に勝てない事実
- 何も考えずに持ち続けるだけで良い手軽さ
- 初心者にとって最適な投資先である理由
プロでも勝てない最強の金融商品
本来、株式市場で 他人より優れたリターンを 得ようと思えば、 大変な勉強や才能が必要です。
しかし名だたるプロ投資家でさえ
S&P500を上回れないという事実は、 一般人にとって大きな福音でした。
手数料の安いインデックスファンドに預けておけばプロに勝てるのですから、
こんなにありがたいことはありません。
「S&P500という金融商品は 偉大な発明だ」といくら言っても
言い過ぎではないほどです。
一般の人々もようやく その事実に気付き始めています。
なぜインデックス投資は初心者に最適か
基本的な考え方は 「長期的には経済成長とインフレ(物価上昇)で 株価指数は上がり続ける」という 理念です。
これさえ理解してしまえば、 極論するとその後は 何も考えなくてよいのです。
個別株では二度と戻らない 銘柄もあり得ますが、
指数全体が無価値になることは 考えにくいですよね。
これは極めて強力な 安心材料になっています。
静かに進行する「インデックス投資バブル」
このセクションのポイント:
- 派手な過熱感がない新型のバブル現象
- 参加者数が異常に膨れ上がっている状態
- Apple株の高評価に見る副作用
派手な過熱感がない新型バブル
一見、1980年代の 日本バブルや2000年の ドットコムバブル(IT企業への過度な期待で起きた株価急騰と暴落)のような 派手な過熱感(異常な株価倍率)は ないように見えます。
しかし水面下では 「S&P500神格化」に伴う 静かな参加者数のバブルが 起きているとの見方があります。
つまり株価指数自体は 冷静に見えても、 それを買っている人の数が かつてなく膨れ上がっている という指摘です。
Apple株に見る副作用
その象徴的な例が S&P500指数の頂点に君臨する Apple(アップル:iPhoneを作る米国のテクノロジー企業)の株価でしょう。
Appleの2024年Q3のPER(株価収益率:株価が企業の利益の何倍まで買われているかを示す指標)は31.54と、
成長期待が高かった頃より 業績成長が鈍化しているにも関わらず 非常に高い水準です。
なぜこんな高評価がつくのでしょうか?
それこそ、あらゆる株価指数に 組み入れられ、
経営環境の変化に 関係なく毎月自動的に 買われ続けるという 「インデックス投資バブル」の 恩恵
と言えるかもしれません。
つまり皆が買うから上がる状態です。
Appleの事業に陰りが見えても、
指数に組み込まれている以上
機械的な買いが入るため、 株価が高止まりしやすいという 側面があります。
これはインデックス投資人気の 副作用とも言えるでしょう。
世界的に広がるインデックス投資の波
このセクションのポイント:
- 世界中で同時進行するパッシブ運用への傾斜
- 過去15年の実績が生んだ強い信頼感
- プロがベンチマークに勝てない現実
過去15年の強力なパフォーマンスへの信頼
日本ほど劇的ではなくとも 世界的にもインデックス投資への 資金流入は増加しています。
これは過去15年の 強力なパフォーマンス(投資成績)への信頼と、
インフレからの逃避という動機が 後押ししていると考えられます。
実際、S&P500は1982年から現在まで、
ブラックマンデー(1987年の世界的株価大暴落)や
ITバブル崩壊、リーマンショック(2008年の金融危機)、
コロナショックも乗り越えて力強い成長を続けてきた実績があります。
各国で進むパッシブ運用への傾斜
プロのファンドマネージャーがベンチマーク(運用成績の比較基準となる指標)に勝つことが難しくなってきたため、
少なくともベンチマーク並みの投資パフォーマンスが期待できるパッシブ運用に傾注するようになったのが、
パッシブ運用が隆盛を極める 最大の理由でしょう。
世界中の投資家が 同じ結論に達しつつあるのです。
株式市場始まって以来の変革か
このセクションのポイント:
- 参加者数の異常な増加という新現象
- 長期投資の最適解だが過信は禁物
- 歴史上初めての大規模な同方向投資
参加者数のバブルという新現象
このような変化は、 株式市場始まって以来の 変革とも言われます。
過去のバブルは 株価倍率の異常な上昇という 派手な形で現れました。
しかし今回は違います。
株価指数自体は比較的冷静に見えても、
それを買っている人の数が かつてなく膨れ上がっている という静かなバブルです。
長期投資の最適解だが注意も必要
S&P500や全世界株式インデックスは 非常に優秀な投資対象で、
現状では初心者に最適解と 言えるでしょう。
わかりやすい「入口」が できたことは、
長らく「日本人は株を持たない」と 言われてきた日本の個人に投資を促す大きなきっかけに なりました。
ただし、これほど多くの人が 同じ投資先に向かうという現象は 歴史上初めてであり、 その影響は誰にも 予測できないのです。
まとめ:新時代の投資家として知っておくべきこと
パッシブ運用がアクティブ運用を 上回った2024年は、
投資の歴史における 重要な転換点となりました。
S&P500や全世界株への インデックス投資は 今でも優れた選択肢ですが、
「皆が買っているから安心」 という思考停止は危険かもしれません。
歴史的に見て、
多くの人が同じ方向に向かうとき市場には何らかの変化が 訪れてきました。
大切なのは自分の投資先を 理解し、長期的な視点を持ちながら
市場の変化にも目を配ることです。
インデックス投資は素晴らしい発明ですが、
その人気が生み出す副作用にも注意を払いながら、
賢く資産形成を進めていきましょう。
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