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【漫画レビュー】井上雄彦『リアル』全巻感想。休載を越えて読むべき理由。野宮・高橋・戸川が教える絶望からの再起と車いすバスケの熱狂【人生のバイブル】

普段、漫画も小説もビジネス本もすべて電子書籍のKindleで購入している私が、

どうしても紙の単行本として手元に残し、本棚の特別な場所に飾り続けている漫画があります。

それは、デジタルデバイスの通知に邪魔されない絶対的な没入感の中で向き合うべき、

人生の教典とも呼べる作品です。

今回は、私が選ぶ人生のバイブル漫画

井上雄彦先生の『リアル』をご紹介します。


ヤングジャンプで連載されている本作は、

車いすバスケットボールを題材に、

理不尽な絶望の淵に立たされた男たちがもがき苦しみながらも立ち上がる姿を描いた圧倒的な人間ドラマです。

この記事では、野宮朋美、高橋久信、戸川清春という3人の主人公が織りなす自己受容と再起の物語を徹底的にレビューします。

目次

天才ではない僕らのための物語

井上雄彦先生といえば『スラムダンク』が世界的な名作として知られています。

インターネット上の漫画感想ブログや考察サイトを調査すると、

多くの読者が『リアル』を裏スラムダンクという言葉で表現しています。

『スラムダンク』の桜木花道や流川楓は、

圧倒的な才能と自信に満ち溢れていました。

読者は彼らの輝きに憧れました。

しかし『リアル』の主人公たちには、

彼らのような高い自己肯定感はありません。

凡人であることを思い知らされ、

自らの過ちで人生を狂わせ、

あるいは病気や事故という理不尽によって歩くことすら奪われます。

大小の挫折が彼らを悩ませ続けるその泥臭い姿こそが、現実を生きる私たち読者の心に深く突き刺さるのです。

ゼロからの努力と本気の価値に気づく野宮朋美

私がこの作品において最も心揺さぶられたのは、

野宮朋美という青年の足掻きです。

彼は自らが運転するバイクで事故を起こし、

同乗していた見知らぬ女の子に障害を負わせてしまい、

彼女の人生を狂わせたという重い十字架を背負っています。

高校を中退し、社会の底辺をさまよう彼が心の中で叫ぶ

『もっとマシな人間になりてえ』

という言葉には、嘘偽りのない痛みが伴っています。

彼は自らの人生を変えるために様々な挑戦を試みますが、その道は決して平坦ではありません。

挑戦の末に手痛い挫折を味わった野宮が発する『悔しくないってさびしいな』というセリフ。

私はこの言葉を読んだとき、ページをめくる手が止まりました。

結果として成功するか失敗するか以前の問題として、

本気で打ち込める目標を持っていること、

心が燃えるような悔しさを味わえること自体が、

人生を豊かにする必須の条件なのだと気づかされました。

今すぐスマホで試し読みをするなら、

以下のKindle版がおすすめです。


高橋久信が教える転落からの自己受容と泥臭い再起

『リアル』が数ある漫画の中でも特異な位置を占めている理由の一つが、高橋久信のキャラクター造形です。

彼は学業もスポーツも優秀で、周囲の人間をランク付けて見下すという、非常にプライドが高く傲慢な高校生でした。

しかし、彼は自転車の窃盗をきっかけとした交通事故により下半身不随となり、

自らがランク付けしていた底辺へと一気に転落します。

多くの感想ブログにおいて、この作品は障害者を無条件に心の綺麗な弱者として描かない点が素晴らしいと高く評価されています。

高橋の葛藤はまさにその象徴です。

どん底に落ちた彼は周囲を呪い、絶望の淵をさまよいます。

しかし、車いすバスケという競技に出会い、

かつて見下していた基礎的な動作すら全くできないという完全な敗北を味わいます。

そこから彼がプライドをかなぐり捨て、ひたすらに走り込みの練習に励む過程は、

人生の理不尽な転落から立ち直るための完全なモデルケースとして機能しています。

自らの現在地を正しく受容し、泥臭く再構築していく彼の姿から目を離すことはできません。


目標の再設定と新しい可能性を体現する戸川清春

3人目の主人公である戸川清春は、元々は短距離走の有望な選手でした。

しかし、骨肉腫によって右脚を切断するという過酷な運命に見舞われます。

自らのアイデンティティであった走るという行為を奪われた彼の絶望は計り知れません。

彼のエピソードにおいて、作中で語られる

『空は飛べなくとも、歩けない世界にも9秒台はある』という言葉は、本作を貫く強烈なメッセージです。

元の道が完全に絶たれてしまったとしても、

車いすバスケという新しい環境において再びトップを目指すことができる。

この方向転換の重要性と、目標の再設定がいかに人間に活力を与えるかを、戸川の存在が証明しています。

今を生きるプロセスへの賛歌

井上雄彦先生が『リアル』を通して描いているのは、今を生きるプロセスそのものへの賛歌です。

どんなにつまらない現在であっても、

どんなに苦しくて先が見えない状況であっても、

それが自分の未来へ続く道の一部であるならば、

決してその道を踏みにじってはいけない。

そのメッセージは、読む者の生きる活力やモチベーションの源泉となります。

休載期間が長く、また試合シーンよりも地味なリハビリや心理描写が続くこともありますが、

その静けさの中にこそ本作の真髄があります。

ぜひ、あなたの本棚にこの特別な単行本を並べてみてください。

紙の単行本全巻セットを揃えるなら、こちらからご確認いただけます。


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