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『屍人荘の殺人』感想|ミステリー×ウォーキングデッド?禁じ手を破った衝撃作【読書感想】

ミステリー小説にSF要素が入るなんて、絶対に邪道だ

もしあなたがそう思っているなら、

今すぐこのページを閉じるか、

あるいはその価値観を壊される覚悟を決めてください。

年末年始、私は9連休という貴重な時間を手に入れました。

パパスタ

何かシリーズものの小説をじっくり読みたいな

そんな軽い気持ちで手に取ったのが、

今村昌弘さんのデビュー作『屍人荘の殺人』でした。

結果どうなったか?

あまりの面白さにページをめくる手が止まらず、

続編の『魔眼の匣の殺人』『兇人邸の殺人』まで含め、

シリーズ3作を一気読みしてしまったのです。

今回は、国内ミステリーランキング4冠という偉業を成し遂げた本作が、

なぜここまで読者を熱狂させるのか?

その魅力を、ネタバレに配慮しつつ全力で解説します。

目次

『屍人荘の殺人』とは?あらすじと実績

まずは基本情報を整理しましょう。

驚異の「4冠」達成

本作は、第27回鮎川哲也賞を満場一致で受賞してデビューしました。

その後、以下の主要ランキングですべて1位を獲得しています。

  • 『このミステリーがすごい!2018年版』第1位
  • 『週刊文春ミステリーベスト10』第1位
  • 『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位
  • 第18回本格ミステリ大賞受賞

まさに、デビュー作としては異例中の異例。

この時点で「読め!!!」なんですよ。

2019年には神木隆之介さん、浜辺美波さん主演で映画化もされ、大きな話題となりました。

あらすじ:ただの合宿ではない

神紅大学ミステリ愛好会の明智恭介と葉村譲。

そして同じ大学に通う謎の少女探偵・剣崎比留子。

3人は、映画研究会の夏合宿に参加するため、

山奥のペンション【紫湛荘(しじんそう)】を訪れます。

初日の夜、肝試しに出かけた彼らを襲ったのは、想像を絶する事態でした。

ペンションに立て籠もらざるを得なくなった彼らの前で、さらに凄惨な連続殺人が幕を開けます。

【感想】金田一少年×ウォーキングデッドの衝撃

ここからが本題です。 私がこの作品に度肝を抜かれた理由。

それは、「本格ミステリー」と「パニックホラー」の融合です。

1. 予想の斜め上を行く「クローズドサークル」

ミステリーの定番といえば、吹雪で閉ざされた山荘や、嵐の孤島ですよね。

しかし、本作で登場人物たちを閉じ込めるのは、自然災害ではありません。

はっきり言います。 アレです。

映画やゲームでおなじみの、生ける屍(ゾンビ)です。

読んでいて目を疑いました。

えっ、ここでSF入るの?

ミステリーでそれは反則じゃない?

ぜったいアカンでしょ?

ミステリーにゾンビなんて出たらなんでもありやん!!

声に出してツッコミまくり。

通常、推理小説に「非現実的な要素」を持ち込むのはタブーとされています。

なんでもありになってしまい、

論理的な推理が成立しなくなるからです。

2. 「邪道」を「王道」に変える圧倒的ロジック

しかし、ここからが今村昌弘さんのすごいところ。

この作品は、単にゾンビが出てきて「わーっ!」と逃げ惑うだけのパニック小説ではありません。

「ゾンビが存在する世界ならではのルール」を厳格に設定し、

それをトリックの根幹に据えているのです。

  • 彼らはどう動くのか?
  • 感染の条件は何か?
  • セキュリティーの穴はどこか?

これらを論理的に積み上げた先に、犯人の意図とトリックが浮かび上がってきます。

パニック映画の皮を被った、極めて知的な本格ミステリー。

このバランス感覚が神懸かっています。

3. どんでん返し好きも唸る伏線回収

私は「どんでん返し」系の小説が大好物なのですが、

本作もまんまとやられました。

物語の序盤に散りばめられた何気ない会話や描写。

それら全てが、クライマックスでカチカチと音を立てて組み合わさっていく快感。

「あの時のあの行動は、そういう意味だったのか!」

読み終えた後、すぐにもう一度最初から読み返したくなる。

そんな構成の巧みさが、

9連休を一瞬で溶かした犯人です。

シリーズ続編も読むべき?

結論から言うと、絶対に読むべきです。

1作目が気に入ったなら、

2作目『魔眼の匣の殺人』、

3作目『兇人邸の殺人』も間違いなく楽しめます。

特に2作目は「予言」という、これまたミステリーとは相性の悪そうなオカルト要素を扱っていますが、

やはり論理的に料理されています。

シリーズを通してキャラクターたちの関係性も変化していくので、一気読み推奨です。

まとめ:食わず嫌いはもったいない

『屍人荘の殺人』は、こんな人におすすめです。

  • 普通のミステリーには飽きてしまった人
  • 『金田一少年の事件簿』のような派手なトリックが好きな人
  • 映画『アイ・アム・ア・レジェンド』やドラマ『ウォーキング・デッド』が好きな人
  • 「えっ!?」と声が出るようなどんでん返しを味わいたい人

「SF設定なんて…」と敬遠するのは本当にもったいない。

ぜひ、この前代未聞の密室に閉じ込められる恐怖と快感を味わってみてください。

もし読む時間がない方は、Audible(オーディブル)で聴くのもおすすめ。

プロの声優さんが演じる迫真の演技は、ペンションの緊迫感を倍増させてくれますよ。

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