損保業界に転職して11年、もうすぐ12年目に入りますパパスタです。
毎日毎日平日は事故対応をしています。
毎日事故対応をしているなかで
車両単独の事故であったり、軽微な事故であれば
お金の話のみで片付くことが多いのですが
中には相手側に重傷を負わすような重大事故を対応することもあります。
事故報告を受けた際に重大事故でも多い事故状況の一つに
バイクや原付自転車などの転倒が伴う二輪自動車との交通事故があります。
さらにそのなかでも多いのは表題にもあるとおり【右直事故】です。
右直事故ってなに
交差点内で四輪車が右折する際に、対向直進中のバイクと接触する事故を
通称【右直事故】と言います。(自動車vs自動車のケースもあります)
ほとんどが四輪車側がバイクの存在を見落とていたり、
バイクとの距離を見誤っているのが主な原因です。
四輪車側は対向からバイクが来ているのを確認しつつも
「バイクが減速して先に行かせてくれるだろう」
と勝手に思うドライバーが多いです。
バイクライダー側も右折待機している四輪車を確認しつつも
「直進である自分が優先なのだから自車の通過を待ってくれるだろう」
と判断しがちです。
さらに、トラックなどの陰に隠れるようにしてバイクが走っていると
バイクからは右折四輪車が見えず、右折四輪車からはバイクが見えません。
こういったケースで右直事故になることも多いです。
トラックやバスなどの大きな車が走っている場合、視界が悪い場合は
常に想像して
『来ているかもしれない』『バイクが陰にいるかもしれない』
と見えない部分に危険が潜んでいると考えて、いつも予測することが必要です。
右直事故の過失割合
過失割合の決まりかたについてはこちらをご参照ください。
上記を読んでもらった上でお示しすると・・・
右直事故の判例基本過失割合は
右折四輪車85%、直進バイク15%と定められています。
交差点の信号機の有無や点灯状況によって変動はありますが、過失は四輪車側が圧倒的に大きくなります。
交差点だけじゃねーぞ【渋滞中の隙間】
渋滞中の隙間から出てくるバイクとの接触。
これもめちゃめちゃ多いです。
自分が右折しようとした時、対向車線が渋滞で対向の車が右折できるように
止まってくれて車間を開けてくれたとしましょう。
『ありがとー』って
対向車がスペースを開けてくれたからといってそのまま右折を開始すると、
渋滞の隙間、特に左端から走ってきたバイクや自転車と接触するケースが多いです。
「車の隙間」というのは四輪車、バイクともに注意が必要です。
重複しますが、渋滞で止まっている車がいる=見通しが悪いということです。
車の隙間、あいだからバイクや歩行者が出てくることを、常に予測し走行しましょう。
大きな事故、大きなケガに繋がる
自動車vsバイクの事故の場合
バイク側は転倒しケガをする可能性が非常に高いです。
バイクライダーが年配のかたであったり
転けかたでケガは重傷化します。
接触自体が大きくなくても、むしろ非接触でも
転倒によってケガが大きくなることは多々あります。
非接触でも過失は発生します!
よく勘違いしている人がいますが、非接触でも接触でも
事故の原因となれば過失が発生します。
事故当事者になるのかどうかは接触したかどうかは関係ありません。
事故発生の原因になったかどうかです。
相手のケガの大きさによっては行政処分、刑事処分が重くなります。
事故を起こした場合にかかる社会的責任については下の記事をご参照ください。
右直事故を防ぐために
- 積極的に道路の状況を常に把握
- 早め早めにウインカー
- 相手の視野を常に意識する
バイク側も四輪車側も
自分は「ここにいますよ」「こう動きますよ」と相手に伝えることが大切です。
右折時に対向車がやってくる場合は
「この距離なら右折しても大丈夫だろう」
と思っても右折を開始しないことです。
「この距離なら大丈夫」と判断した場合でも右折を開始せずに、
対向車が通りすぎるのを待ちましょう。
対向車が通り過ぎるのを待つ時間て何分ですか??
おそらくほんの数秒じゃないですか?
事故を起こしたら2時間は拘束されます。
相手がケガが治って示談完了するまでずっとです。
精神的にもずっと引きずります。
ほんの数秒待つだけで事故の発生を100%回避する事ができます。
ゆとりを持って運転する事が、なによりも交通事故を防ぐ運転技術ですね。