損保業界に転職して11年目、毎日毎日交通事故対応をしています。
パパスタと言います。年間何件の事故対応をしているかわかりません。
さて、最近ウチの会社だけでなくわりと損保業界で問題となっているのが
「当て逃げ」「ひき逃げ」と言った事故報告です。
当て逃げについては前回ブログで書きましたのでこちらの記事をご参照ください。
実際にあった事例
事例①
契約者は四輪車でした。
自車が直進走行中、信号の少し手前でスピードを落としていたら
前方で走行していた相手原付バイクが
道の真ん中で急に停車。
自車もバイクの近くを走行していたので
『もしかして当てたのか?』と思い
車を降りて相手方へ「大丈夫ですか?」とか確認しました。
相手はこちら側を見ずに携帯電話をいじりながら
「大丈夫」と返答。
契約者は相手のバイクにも損傷が無いことを確認し、
相手方へもう一度「大丈夫ですね?」と確認。
相手は携帯電話を見ながら「大丈夫」と返答があったため
契約者は接触していないと考えてその場を去りました。
その後、警察より契約者へ連絡が入りました。
相手方は警察へ人身事故届(被害届)を提出、「ひき逃げ」と主張されました。
事例②
自車が高校生の相手自転車と軽い接触。
契約者はその場で車を降り、自転車を起こし、相手高校生にケガがないかどうかを確認。
相手はよりケガは無いと返答があり、『学校に遅れるからともう行きたい』と申し出。
契約者自身も出勤途中であったこともあり、その場を去りました。
その後、相手両親が警察へ被害届を提出し『ひき逃げ』として捜査され
警察から契約者は連絡あり。
刑事処分まで言及される大変な事態となりました。
事例①も②も悪いのは契約者です。
相手がどうあれ現場を離れてしまった契約者さんが悪くなります。
事例①の場合は相手もうさんくさい感じはありますが
なおのことその場で警察を呼ばなかった契約者さんのミスです。
現場で自分で相手の状態、物損について勝手に判断するのはやめましょう。
事例②はわりと多いパターンです。
学生と接触した場合、学生がそのまま行ってしまおうとすることが多いです。
必ず引き止めて、学生が『ケガがない』と言っても警察へ事故報告し
相手の両親に連絡をとってもらいましょう。
事例②も相手親がものすごく怒っちゃって事態が大きくなりました。
民事でも解決までめちゃくちゃ大変でした・・・。
こういう案件は、被害者側の心情が
結果的に検察から救護義務違反として起訴されるという大変な事態に
なりえます。
事故が発生した場合になすべきこと
物損事故についても同じです。
他人の所有物や構築物、また電柱や標識などの公共物と接触してしまった単独事故でも、警察への事故届は必要です。
よくお聞きするのが「たいしたキズはついていない」「既にキズだらけだった」というものです。
警察届をせずにその場を去った場合、目撃者が警察へ通報したり、所有者から被害届を出された場合、警察は「当て逃げ」として捜査します。
自分で賠償の必要は無いと判断するのではなく、必ず警察へ届けましょう。
物損事故の場合、よほどの事故でなければ行政処分を受ける可能性は低いですが、当て逃げとなると、行政処分も厳しくなり、安全運転義務違反にプラスして当て逃げによる付加点数(危険防止措置義務違反)が加わります。それだけではなく刑事処分『1年以下の懲役又は10万円以下の罰金』が科せられる可能性があります。
警察への届け出は運転者の義務です(道路交通法72条1項)。物損・人身にかかわらず、速やかに警察に連絡しましょう。連絡方法は110番です。
まとめ
事故が発生した場合、自分で判断をされるのではなく誠意をもって相手方に謝罪し、対応をすすめることがもっとも正しい解決方法です。
現場で必ず警察へ事故報告してください。
事故自体が軽微で『後でもいいや』
と、後回しに場合、相手方と一緒に警察署へ出頭する必要が出てきます。
どっちがめんどくさいですか?
絶対に現場で事故報告した方がいいです。
というか事故を起こさないように日頃から運転した方がいいです。
このブログでは自動車事故の啓蒙記事を載せています。
実際に事故対応をしている者からみての注意喚起です。
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