こんにちは。
僕は普段仕事で交通事故の示談交渉などにたずさわっています。
毎日毎日交通事故は発生するので11年間毎日事故対応しています。
僕が事故対応をしていて
『自動車保険に入ってるなら、この補償は絶対につけるべき』
と、強く思っていること。
自動車保険内容についてみなさんとシェアしたいと思っています。
「弁護士費用特約」は絶対につけるべき
自動車保険の補償内容って色々あって複雑で
約款は細かい字で大量にあるし嫌になりますよね・・・。
改定もほぼ毎年あって働く側も嫌になります笑。
なので、このブログでは細かいことは言いません。
結論から言うと絶対に自動車保険の補償内容に付帯すべき特約は
「弁護士費用特約」です。
今回は、この特約をおすすめする理由を紹介します。
自動車保険とは・・・
まず基本的なこと。
自動車保険とは何?ってことです。
自動車保険は、相手方へ賠償するものが基本の損害賠償保険です。
契約者の過失により、
◆他人にケガを負わせた(対人賠償)
◆モノを壊した(対物賠償)
って場合に契約者に代わって保険会社が相手方へ損害賠償するものです。
これが自動車保険の「基本」なんです。
で、基本の内容に、
自分側を守るもの(車両保険・人身傷害保険など)
を必要だと思ったら付帯して契約しているものがほとんどです。
「弁護士費用特約」は後者『自分側を守るもの』にあたります。
被害事故では保険会社は交渉してくれない?
YES。
一般的には、自動車事故にかかわる相手との交渉は、契約者に代わって保険会社が行います。(これが示談代行サービス)
上記でも記載しましたが損害賠償の考え方になります。
自分側に100%過失がある場合や、双方過失が発生する場合において契約者に代わって相手方へ損害賠償をするという考え方のもと示談交渉ができます。
信号待ち停車中に追突された事故や無人駐車中に当てられたような
全く過失(責任)が無い場合は『弁護士法』等の規定上、保険会社が契約者に代わって示談交渉を行うことはできません。
よって、契約者自身で示談交渉を行わなければなりません。
簡単に言うと
被害事故の場合は保険会社や代理店が契約者に代わって相手方へ損害賠償請求や交渉をすることが法律上できないってことです。
「ケガして治療費がこれだけかかった!」とか
「自動車修理代はこれだけかかる!」という損害賠償請求行為ができるのは
本人or弁護士だけです。

被害事故の時に
『保険会社が何もしてくれない』
『事故が起きたら後は保険会社が全部やってくれるんじゃないの』って本当によく言われますが、
保険会社さんの怠慢じゃないので理解してくださーい
弁護士費用特約はどういう時に使えるのか?
ではどういう時に必要になるのか
今、世間を走っている自動車全てに任意保険が付いており、
被害事故に遭遇しても相手方から
きちんと賠償してもらえるならよいのですが
必ずしもこちらが思っているように対応してもらえるとは限りません。
なにより近年は任意保険に加入していない無保険車が本当に増えてきています
自分で相手方へ「払ってください!」って言うのも限界がありますよね。
そこで弁護士費用特約が活躍します。
「弁護士費用特約」は、被害事故にもかかわらず
加害者側が適切な賠償に応じない場合に、
弁護士に委任して損害賠償請求を行うための
弁護士に掛かる費用を補償する特約です。
もう一つ、弁護士費用特約が必要になるとき
双方過失がある事故では、お互いの事故認識や主張が違うことが多々あります。
その場合お互いに過失割合を譲らずに交渉が平行線、難航することがあります。
めちゃくちゃ多いです・・・。
保険会社の示談交渉というのはあくまで「話し合い」です。
よく勘違いしている方がいますが
保険会社の担当者が相手方へ強い口調で言ったから、
厳しく対応したから
といって相手が折れて示談になるなんてことはありません。
なかには「交渉のプロなんだから相手を言いくるめろ!」なんて言うかたもいますが、言いくるめたら示談にはなりません。
話し合いの解決なので、双方が合意して示談となります。
どちらかが強制的示談できるものではありませんよね・・・。
もっと言えば
あきらかにこちら側が言っていることが正しくても相手が理不尽に拒否していれば示談とはなりません。
では、どうするのか?
話し合いで解決できないのであれば法的手段です。
「訴訟」を前提に弁護士に相談すればいいのです。
過失割合がお互いに納得できずに譲歩もできない!という時には
第三者である裁判所に判決してもらったらいいんです。
で、こんな時に活躍するのも「弁護士費用特約」です。
心配なこと
とはいえ、
『被害事故だけど「弁護士費用特約」で保険使ったら次回保険料の値上がりがあるんじゃないの?』
って心配ですよね。
一般的に「弁護士費用特約」のみの保険使用であれば
無事故割引等級ダウン無しです。次回更新時の保険料影響はありません。
保険会社によってその辺は違う可能性もあるので必ず確認してください。
一般的には等級ダウンしません。
しかし!!
相手方から提訴等されたときに対応するための弁護士費用は
特約でなく対人賠償・対物賠償から支払われるので
等級ダウンの対象となる可能性大です。
キチンと加入している保険会社に確認したほうがいいです。
注意すること
繰り返しになりますが、保険会社によって弁護士費用の商品名、補償内容は違います。必ずご自身の保険会社に補償内容を確認の上、付帯してくださいね。
あと、弁護士に委任しても相手方からの支払いを
必ず勝ち取ることが決まるわけはありません。
僕もたった一度だけ経験しましたが、
相手方に支払能力がない場合です。
相手の資産がなく差し押さえも不能、自己破産等している場合は
回収するのは無理です。裁判しても無理。
こんなことあるんやなーって思いました。